巨匠ヴィム・ヴェンダース監督最新作! 盟友ペーター・ハントケの戯曲を映画化、 『ベルリン・天使の詩』以来となる
二人の5本目のコラボレーション。 ルー・リードの名曲「パーフェクト・デイ」とともに
映し出される無人のパリ やがてカメラは、
柔らかい夏の風が吹く木陰のテラスへ 男と女が語り始める…

第73回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品作『アランフエスの麗しき日々』は、ヴィム・ヴェンダース監督にとって初のフランス語映画であり、「生涯で初めて100%自分の思いのままに撮り上げた映画」と語る自信作でもある。原作は、ヨーロッパを代表する作家のひとりペーター・ハントケによって、フランス語で書かれた戯曲「アランフエスの麗しき日々 夏のダイクアローグ」。『3枚のアメリカのLP』、『ゴールキーパーの不安』、『まわり道』、『ベルリン・天使の詩』に続く、二人の5度目のコラボレーション作品だ。 主演は、ベルリン国際映画祭でオープニング上映作品であり、伝説のジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを熱演した『永遠のジャンゴ』が近日日本公開となるレダ・カテブと、ヴェンダース映画は『愛のめぐりあい』に次いで2本目となるソフィー・セミン。また、映画のオリジナル・キャストである作家役をイェンス・ハルツが演じる他、世界中で熱狂的なファンをもつミュージシャンのニック・ケイヴがゲスト出演している。

レダ・カテブ
Reda KATEB

1977年フランス・イヴリ=シェル=セーヌ生まれ。アルジェリア出身の俳優マレク・エディーヌを父に持つ。8歳の時に初舞台を踏み、以降様々な舞台で経験を積む。08年にTVシリーズ「Engrenages」に出演。09年、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した、ジャック・オーディアール監督作『預言者』で、ジプシーの青年ジョルディ役に抜擢され、一躍注目を集める。続くレア・フェネール監督の『愛について、ある土曜日の面会室』(09)のステファン役でも、強い印象を残した。13年には、キャスリン・ビグロー監督の『ゼロ・ダーク・サーティ』に、テロリストグループの一員として出演し、アメリカ映画に進出。さらに、『不機嫌なママにメルシィ!』(13)やハリウッドスター、ライアン・ゴズリングの監督デビュー作『ロスト・リバー』(14)、東京国際映画祭コンペティション部門で上映され好評を博した主演作『パリ、ピガール広場』(16)など、コメディ、アクション、ミステリー・サスペンス、シリアスなヒューマンドラマと、幅広いジャンルで個性派俳優として実力を発揮。トマ・リルティ監督作『ヒポクラテス』(14)で、フランスのアカデミー賞と言われるセザール賞助演男優賞に輝いた。14年には、短編映画『PITCHOUNE』を、出演も兼ねて監督する。 最新作は第67回ベルリン国際映画祭オープニング上映作品の『永遠のジャンゴ』(17)で、伝説のジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトを熱演した。 その他の主な出演作に、『黒いスーツを着た男』(12)『SHIBARI壊れた二人』(13)『パリ、カウントダウン』(13)『涙するまで、生きる』(13)『孤独の暗殺者/スナイパー』(14)『夜、アルベルティーヌ』(14)などがある。

ソフィー・セミン
Sophie SEMIN

1961年フランス・ロレーヌ生まれ。パリ第2大学で、私法(民法、商法などの民事法)のマスターを取得し、フレンチ・インスティテュート・オブ・ファッションでもマスターを獲得している。ファッションデザイナー山本耀司のもとで、3年間ファッション関係の仕事に従事。その後、主に舞台を中心に、女優としてのキャリアを積む。93年、ペーター・ハントケの脚本・監督による『不在』(ドイツ文化センターにて特別上映)に、若い女性の役で出演。95年に、ヴィム・ヴェンダースとミケランジェロ・アントニオーニの共同監督作品『愛のめぐりあい』に出演する。同年、ペーター・ハントケと結婚。彼らの娘レオカディ・ハントケは、カメラマンとして活躍。『アランフエスの麗しき日々』では、アシスタント・ディレクターを担った。

イェンス・ハルツ
Jens HARZER

1972年ドイツ・ヴィースバーデン生まれ。 1993年よりディーター・ドーンがディレクターを務めるミュンヘンの小劇場に16年間所属した後、バイエルン国立歌劇場の所属俳優となる。クリスチャン・スタックル演出によるコルテス作「ロベルト・ズッコ」の主演をはじめ、ゲーテなどの作品舞台に数多く出演。また01年から04年まで、ザルツブルグ演劇祭にて、劇作家ホーフマンスタール作品をスタックルとのコラボレーションで上演。04年には、同じくザルツブルグで演じたユージン・オニール作「夜への長い航路」の演技で、「彼は、ジェームズ・ディーン級の質の高い演技力を備え、熱さと不思議な清浄さを併せ持つオーラを放っている」と絶賛される。映画では、ハンス・クリスチャン・シュミット監督「Requiem」(06)に出演。同年主演した「Der Lebensversicherer」で、モスクワ国際映画祭ロシア映画批評家ベストアクター賞を受賞。11年8月、ザルツブルグ演劇祭でプレミア上映された、ペーター・ハントケの「Immer Noch Sturm(いつでも嵐)」の舞台に立つ。12年に、ジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」をもとにした、22時間に及ぶラジオドラマで、スティーブン・ディーダラス役を担う。現在、ベルリン芸術アカデミー舞台芸術会員。

監督
ヴィム・ヴェンダース
Wim WENDERS
1945年8月14日ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。大学で医学と哲学を専攻するが途中で転向し、21歳の時に画家を志してパリに移り住み、彫刻を学ぶ。帰国後、ミュンヘンのTV&フィルム大学に入学。映画誌などに映画批評を執筆する傍ら、1967年より映画監督の活動をスタート。『アラバマ:2000光年』(69)『3枚のアメリカのLP』(69)など短編映画8本を製作した後、『都市の夏』(70)で長編監督デビューする。『都会のアリス』(74)『まわり道』(75)『さすらい』(76)が、「ロードムービー三部作」と呼ばれて高評を得、ニュー・ジャーマン・シネマの旗手として一躍世界的に名を馳せる。『ことの次第』(82)でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、『パリ、テキサス』(84)ではカンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得。次いで、10年ぶりにドイツで製作した『ベルリン・天使の詩』(87)でカンヌ国際映画祭監督賞を、その続編『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース』(93)ではカンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞する。さらに、音楽ドキュメンタリー『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)が世界的に絶賛され、『Pina/ピナ・バウシュ 躍り続けるいのち』(11)がアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされるなど、ドキュメンタリー映画でもその手腕を発揮している。また、敬愛する小津安二郎にオマージュを奉げた『東京画』(85)や、ファッションデザイナー山本耀司を追った『都市とモードのビデオノート』(89)など、日本映画や日本文化に対しての思い入れの深さで知られている。『台北の朝、僕は恋をする』(10・アーヴィン・チェン監督)他、プロデュース作品も数多い。 その他の主な長編監督作に、『アメリカの友人』(77)『ハメット』(82)『夢の涯てまでも』(91)『リスボン物語』(94)『愛のめぐりあい』(95・ミケランジェロ・アントニオーニと共同監督)『エンド・オブ・バイオレンス』(97)『ミリオンダラー・ホテル』(00・ベルリン国際映画祭審査員賞)『アメリカ、家族のいる風景』(05)『それぞれのシネマ』(08・オムニバス)『もしも建築が話せたら』(14・オムニバス/製作総指揮も兼ねる)『誰のせいでもない』(15・3D作品)などがある。
原作
ペーター・ハントケ
Peter HANDKE
1942年12月6日オーストリア・ケルンテン州生まれ。グラーツ大学で法律学を専攻するが、1966年小説「雀蜂」で作家デビューした直後に中退。同年、戯曲処女作「観客罵倒」をフランクフルトで上演し、出演者4人が最初から最後まで観客を罵倒し続けるという、前代未聞の演出構成で、一大センセーションを巻き起こす。その時、当時のビートルズのトレードマーク「マッシュルームカット」を模したヘアースタイルだったため、「文学界のポップスター」なる異名を取った。小説、戯曲、詩、放送劇、フランス文学の翻訳と様々な分野で幅広く活動。『3枚のアメリカのLP』(69)の脚本執筆を皮切りに、『ゴールキーパーの不安』(72・原作/台詞)『まわり道』(75・原作/脚本)『ベルリン・天使の詩』(87・脚本)、および最新作『アランフエスの麗しきの日々』(16・原作戯曲)と、5度にわたりヴィム・ヴェンダース監督とコラボレーションを組んでいる。78年には、ヴェンダース監督のプロデュースのもと、76年発表の小説「左ききの女」を自らの脚本・監督で映画化。その後、自分の原作をもとに、『不在』(93・ドイツ文化センターで特別上映)も監督している。また、母親の自殺を扱った「幸せではないが、もういい」(72)や「ゆるやかな帰郷」(79)、母方の祖父の故郷スロヴェニアを旅する「反復」(86)など、自伝的な小説も少なくない。1996年の紀行文「ドナウ、サーヴェ、モラヴァ、ドリナ河畔への冬の旅」では、ユーゴスラビア紛争に関してヨーロッパのメディアは偏った報道をしていると批判し、それが親セルビア的であることから物議を醸した。現在は、フランスのシャヴィーヌ在住。 この他の主な作品に、小説「長い別れに寄せる短い手紙」(72)「こどもの物語」(81)「ドンフアン(本人が語る)」(04)、戯曲「カスパー」(67)「私たちがたがいに何も知らなかった時」(92)「不死への備え」(97)「地下鉄ブルース」(03)などがある。
地域 劇場 TEL 公開日
東京 YEBISU GARDEN CINEMA 0570-783-715 12月